生命保険料控除、医療費控除、ふるさと納税、iDeCo、積立てNISAなど会社員が気軽にできる節税対策は多くあります。今回は「そういった節税対策では物足りなくなってきた」、「資産や収入も増えてきたし、もっと本格的に節税対策をしたい」、「富裕層がしている効果が高い節税対策を知りたい」といった人に向けて、富裕層がしている節税対策をご紹介します。

長年富裕層と接してきたお金のプロだけが知っているものばかりを厳選していますので、ぜひ参考にしてください。

1.不動産投資

多くの富裕層が実は行っている不動産投資。不労所得が得られる上に、節税対策になるので賢い富裕層がまず取り組むのも納得です。ちなみにサラリーマンでも不動産投資をしながら不労所得を得つつ、節税している人も増えてきています。

節税という面において不動産投資は何と3つの点からメリットがあります。

●所得税・住民税の節税
●贈与税の節税
●相続税の節税

損益通算で給与所得と合算した上での節税が可能

会社員が不動産投資で節税効果を得る点で最も大きなメリットは、給与所得や事業所得と合算した上で所得税が計算される点。相続税や贈与税での節税効果もありますが、ここでは所得税、住民税の節税に絞って解説します。

どういう仕組みかというと、不動産投資が赤字であれば損益通算といってその赤字分を給与所得や事業所得から引いた額での税金が算出されます。不動産投資で掛かった経費を漏れなく計上することによって、節税に繋がります。

さらに、不動産投資では実際に現金が出たわけではないにも関わらず計上できる経費「減価償却費」があります。経年劣化により目減りする物件価値を、耐用年数に応じて経費として忘れずに計上することで高い節税効果が得られます。

2.不動産小口化商品

「現物を持つ不動産投資をしたいが、時間がなく管理する手間や時間がネック」という富裕層から人気を集めつつあるのが、「不動産小口化商品」と呼ばれるもの。

不動産小口化商品とは、1つの不動産を1口数万円~販売し、その出資額に応じて賃料収入などを分配する投資商品です。株式投資やFXといった投資と比較すると、価格の変動が大きくないので、安定的な資産の分散先を検討している会社員にもおすすめです。

「任意組合型」で相続、贈与税対策

不動産小口化商品には、「任意組合型」と「匿名組合型」があります。節税効果を求める富裕層が選んでいるのは「任意組合型」です。任意組合型は、持分に応じた賃料収入が得られる他、建物の共有持分が不動産登記されます。つまりその物件の所有者の一人となるわけです。

ですので、相続の際には通常の不動産と同様の評価方法である「固定資産評価額」や「路線価」が適用されます。通常「相続税評価額」は時価よりも低くなり、時価の4割~8割程度となることが多いようです。つまり現金を不動産にかえることにより、相続財産の圧縮が期待でき、相続税対策となるわけです。

3.貯蓄型保険

貯蓄型保険とは、万が一の備えと貯蓄性を兼ね備えた保険のこと。養老保険や終身保険、後で詳しくご紹介しますが個人年金型保険も貯蓄型保険の中の一つです。

保険での節税というと「生命保険料控除」。1年間に支払った医療保険や生命保険の掛け金に応じ、一定の金額を所得から控除してくれるというもの。ただし年間でどんなに保険料を支払ったとしても、控除される金額の上限は12万円なので、1年間で節税となる所得税・住民税のみの面からいうと大きく期待できるものではないかもしれません。

ですが本人が満期金を受け取る場合の一時所得、相続時の遺族が受け取る場合での相続時にも節税効果があるので、特に相続時のことを考えると、現金で残しておくより保険として遺産を残しておく方が有利でしょう。

「貯蓄+節税」で実質的には銀行に預けるより高い利回り

では、なぜ富裕層が節税効果を求めてこの貯蓄型保険を利用しているのか。それは保険料控除を利用することで、普通に銀行に預金するより実質的には高い利回りとなるからです。

実際、現在メガバンクで定期預金をしてもその金利は0.002%ほど。100万円を1年間預けても20円の利息しかつきません。一方、満期後に解約返戻金が受け取れるタイプの終身保険の場合、満期時には払い込んだ保険料の約110%~120%を受け取れるタイプの商品も。ただし、こちらの場合満期になるまで数十年というケースもあるので単純な比較はできませんが、途中解約をしなければ定期預金に預け入れるよりは金利的には圧倒的に有利。

さらに保険料控除が利用できるため、節税しつつ貯蓄をすすめていけるので富裕層はあえて貯蓄性のある保険を選んでいます。

ただし貯蓄型保険は、途中で解約した場合期間によっては元本を割る場合があるので注意が必要です。また、運用の利回りとして「予定利率」が設定されている商品が多く、市場の金利の上げ下げの影響を受けないのがメリットではありますが、その反面金利が上昇した場合、その恩恵を受けられない、インフレリスクに弱いといったデメリットがあります。

4.個人年金型保険

個人年金保険とは、個人で積み立てる年金です。こちらも先ほどご紹介した「貯蓄型保険」の中のひとつ。将来もらえるであろう公的年金だけでは、ゆとりある老後生活には心もとないと考えている富裕層が”転ばぬ先の杖”として選んでいます。

「個人年金保険料控除」が適用され、節税効果〇

先ほどの「貯蓄型保険」と同様、こちらも将来への備えとして貯蓄性がある上に節税できるという一石二鳥のメリットが。さらに個人年金保険で支払った保険料は、「個人年金保険料控除」が適用され、所得税、住民税の節税に繋がります。

つまり、先ほどご紹介した養老保険や終身保険で控除となる「生命保険料控除」とはまた別の枠で控除を受けられるというわけです。

しかし、個人年金保険であれば全てこの「個人年金保険料控除」が受けれられるわけではありません。加入する個人年金保険に「個人年金保険料税制的確特約」が付帯しているのが条件です。そうでない場合は、「生命保険料控除」となり、医療保険や生命保険と合算され節税効果が薄まります。

ちなみに「個人年金保険料税制適格特約」を付けることができるのは以下の4つの条件を満たしている場合のみです。

●年金の受取人は、契約者本人かその配偶者であること
●年金受取人と被保険者が同一人
●保険料の払込期間が10年以上
●年金の受け取り開始が60歳以降かつ、受け取り期間が10年以上(確定年金、有期年金のケース)

個人年金保険料税制適格特約を付帯するには、上記のような条件があるためしっかりとチェックした上付帯するようにしましょう。

5.オフショア投資(海外積立ファンド)

資産運用への意識が高い人は一度は耳にしたことがあるかもしれません。オフショア投資とは、海外で口座を開設し海外ファンドへ投資を行うことです。オフショア地域と呼ばれるのは日本から近いところでいうと、シンガポールや香港が有名です。

20年、30年と長期間の投資効果もあり、例えば20年で160%の利回りといった日本では見ることがないような利回りの商品が多くあるのがオフショア投資の魅力でもあります。

オフショア投資は配当や分配金には非課税

なぜ富裕層があえて海外の地を選んでオフショア投資をするのかというと、高い利回りの他に、節税効果があるから。結論からいうとオフショア投資では、配当金や分配金に対しては非課税です。

一方、日本で投資を行うと、譲渡益はもちろん配当や分配金に20.315%の税金が掛かるのはご存じの通りです。

ただ勘違いしやすいのが、オフショア投資でも譲渡益が出た場合は20.315%の税金が掛かります。ですので出口戦略についてはしっかり考える必要はありますが、運用益に税金が掛からないため、複利効果を最大限に活用でき資産を効率的に増やしていけるのは最大のメリットといえるでしょう。

ただし日本の金融機関ではこのオフショア投資に申し込みはできません。ですので、「IFA」と呼ばれる独立系ファイナンシャルプランナーを通して投資を行います。

まとめ

富裕層と呼ばれる層は、今回ご紹介したように不動産や保険、海外投資といったハイリターンも狙いつつ節税ができるものを選んでいます。

ただし、多くの人が知っている商品ではないため、市場に正しい情報が出回っていないのが事実です。不動産や金融商品を選ぶ際には、正しくそして最新の知識を持っていないと思わぬ損をする可能性もゼロではありません。

富裕層は資産を守るために、実は上手くお金のプロを利用しています。「お金を払ってまでもったいない・・・」という気持ちより、自分がお金を稼げる分野にフルコミットし、専門外の分野は専門家の知恵や知識を活用した方が効率が良いと知っているからです。

今回ご紹介した節税対策、少しでも気になるものがあればぜひお問い合わせください。

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