資産運用での無料相談と有料相談の違いとは?

まず、資産運用における有料相談と無料相談の違いについて簡単にご説明します。

無料の資産運用相談とは

まず無料相談とは、文字通り相談料がかかりません。銀行や証券会社、保険会社、不動産投資会社などでよく行われています。

そもそもなぜ無料なのかというと、相談を通じて自社のサービスや商品の販売が目的にあるからです。その販売の入り口として、「無料相談」を開催していることが大半でしょう。ですので、多くの選択肢からあなたのライフプランや希望に沿ったというよりは、その会社が売りたい商品をおすすめされるケースが多い、と頭に入れておいた方がいいでしょう。

ですので「〇〇という投資信託に興味があるが、手数料や利回りは実際どうなのか?」といった商品についての具体的な相談をするのが賢い使い方といえるでしょう。

有料の資産運用相談とは

一方、有料相談はIFA、つまり独立系のファイナンシャルプランナーが行っていることが多く、「相談者の現状を分析し、目的に沿ったアドバイスをすること」自体がサービスとして成立しています。つまり、お金を払う相談者のメリットを最大化することが目的です。

「老後資金として2000万円どのように準備すればよいか?」、「今の家計で家を買うための上手なローンの組み方は?」などライフプランに沿ったお金の相談なら間違いなくこちらがおすすめです。

富裕層が資産運用で有料相談を利用する理由やメリットとは?

では、なぜ富裕層は無料相談が多くある中、わざわざお金を払ってお金の相談をするのでしょうか。もちろんお金を払う以上のメリットがあるからなのですが、意外とそのメリットは知られていないのかもしれませんね。

富裕層が有料相談を利用する理由やメリットを知ることで、富裕層の考え方を取り入れあなたの資産管理に活かしてみましょう。

1、本当に自分合った資産形成の方法をアドバイスしてくれる

資産運用の際、有料相談を利用するメリットは何といっても、相談者の状態に合った資産形成の方法を教えてくれる点です。例えば「資産運用でお金を増やしたい」という希望があった場合、有料相談であればあなたの資産状況や収入、ライフスタイルに応じて、不動産投資、株式投資、保険、仮想通貨など多くの選択肢の中から提案してくれます。

現在の資産状況もですが、資産運用にどれだけ手間や時間を掛けられるかもきちんとヒアリングした上で、あなたにとって無理なくできる方法を提案してくれる点が有料相談のメリットです。

一方、無料相談の場合、例えば保険会社で相談すると資産運用の方法としては保険商品からのみの提案となるでしょう。

極端にいうと、「資産を増やす」という目的に対し、その手段は株でも保険でも不動産投資でも何でも良いのです。ただその中から自分に最適な方法を選ぶためには、幅広い選択肢を持つことの重要性を富裕層は理解しているので、あえて有料相談を利用するのです。

2.長期的なライフプランに合わせた相談ができる

有料相談では、現状の資産や家計状況をトータルで見た上でアドバイスをしてくれます。さらに「今」のあなたの状況だけでなく、「これから」のライフスタイルに合う資産運用の相談が可能。

例えば「子どもが生まれ家を購入したいが、教育費も貯めたい。どういった方法がベスト?」など、長期的に望むライフスタイルを叶える手段として有料の資産運用の相談を利用する富裕層が多いのです。

人生の節目で富裕層は金融のプロと言われるアドバイザーに相談し、思い描く人生プランを叶えていきます。

3.お金の最新の正しい知識を得ることができる

富裕層が有料の資産運用相談を利用する理由として「最新の正しい知識や情報を買う」という点も挙げられます。「情報ならネットに溢れているし、無料で手に入るのでは?」つい我々は考えがちですが、富裕層は違います。

玉石混交のネットの情報の情報の中から正しい情報を掴み取るにも、ある程度知識が必要です。また、投資の商品やトレンド、税制などは随時変わっていくもの。昔から「餅は餅屋」というように、金融の分野は金融のプロに聞いてしまった方が早く確実。

何ごともそうですが、富裕層は知識がないと損をする世の中の仕組みを知っているからこそ、「正しく最新の情報」への投資は惜しみません。

4.自分で資産運用の勉強をする労力や時間を省ける

「タイムイズマネー」という言葉があるように、富裕層は時間の大切さを理解している人が多いです。さらにいうと自分の「時給」を意識して動く人が多いのです。

つまり、自分の本業やお金を稼げることにコミットした方が、資産を築く上で効率的であると知っています。本業で成果を上げながら、いちから投資や税金対策など情報を集め勉強をしていくのは時間的に効率が悪く、それならばプロに任せてしまおう!と考える富裕層は多いです。

先ほどの「正しく最新の知識を得る」でもお伝えしましたが時間や労力面においても、有料相談を利用した方が結果的にコスパが良いという訳です。

5.中立な立場でセカンドオピニオン的役割が期待できる

富裕層は銀行や証券会社と普段から付き合いがある人も多く、新しいサービスや商品の提案をされることも日常茶飯事です。もちろん全ての営業マンがメリットだけでなく、リスクまで完全に案内してくれている訳ではないのは富裕層も承知しています。

ですので、有料相談では「気になる商品があるが、実際のリスクはどの程度か」など気がかりな点を中立な立場で説明してもらうことができるのが大きなメリットです。

また、単体としては良い商品だとしても相談者の資産全体で見た場合「リスクを多くとりすぎている」、「今運用している商品と重複している」などと大きな視野で見てもらえる点もメリットでしょう。

資産運用で有料相談をする際の注意点やポイント

大切なお金を払い相談をするわけですから、無駄にならないよう気を付けたいポイントや、より効果的な利用の仕方をご紹介します。

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談する

ここまで紹介した有料相談を受けるメリットを享受するには、相談先の選定が非常に重要です。結論からいうと、富裕層はIFAと呼ばれる独立系ファイナンシャルプランナーへ資産運用の相談をしています。

繰り返しになりますが、IFAは株、不動産、保険は金融全般はもちろんのこと住宅ローンや相続にも精通しています。特定の金融機関に所属していないので、偏った商品をおすすめされるのでは?と不安がある人にとってもおすすめできると言えます。

生活状況や人生のプランが変わったら相談する

一度、資産運用の相談をしそれに沿った資産運用をしていたとしても、「子どもが生まれた」、「遺産相続で一気に資産が増えた」など生活や資産状況が変わることはよくあること。また「家を買いたい」、「FIRE(早期リタイア)をしたい」など人生で叶えたい願いも変わっていくものです。

そんなタイミングがあれば、ぜひ有料相談を利用しましょう。富裕層は「お金は自分の夢や希望を叶えてくれるツール」と認識している人が多く、そのためにいかにお金を上手に運用し、活用するかを相談しに来る人が多いです。敷居が高いと思われがちな資産運用の相談ですが、気軽に利用してみましょう。

資産状況をある程度把握しておく

お金を払い、限られた時間の中で有意義な相談にするために、まずは現状の資産状況を把握しておきましょう。といっても、難しいことはありません。

主には以下の資料を用意しておけばいいでしょう。これ以外にも用意しておいた方がいい資料はないか、聞いておくとより安心です。あとの難しい分析はプロにお任せしてしまえばいいので、意外にも気軽に利用ができます。

・家計簿
・預貯金が分かる通帳やアプリ
・源泉徴収票
・保険証券
・住宅ローン返済予定表
・株や投資信託の明細

まとめ

富裕層はお金があるから有料相談を利用するのではなく、お金を払ってまで有料相談をするメリットの方が圧倒的に多いからです。現在の資産状況を分析し、営利目的でないフラットな目線でのアドバイスは、相談料以上のメリットがあると実際に利用した人は感じています。

また、資産家は意外にも財布のひもが固い人が多く、無駄なモノには一切自分の大切なお金を使いません。一方、お金やライフプランニングなど人生を左右する大切なものには、対価を払い信頼できるプロを上手に利用しています。その考え方やマインドこそが富裕層といわれる所以なのでは、と多くの富裕層を見てきた経験から思います。

テクニックや方法論も大切ですが、こうした考え方を取り入れることこそが富裕層への近道かもしれません。