「株式投資を始めたいのだが、どのように銘柄を選んだらよいのかわからない」、という人も多いのではないでしょうか?銘柄の選定は、株式投資をする上で最も重要なことです。そこでこの記事では、どのような株を選んで投資したらよいのか・株式投資する際に参考にすべき指標・単元未満株をおすすめする理由などについて解説します。
Contents
株には3つの選び方がある
株を選ぶ方法には大きく分けて3つの方法がありますが、それについて説明します。
成長株に投資する
成長株投資とはグロース投資ともいわれ、売り上げや利益が毎年伸びていて、将来も成長していくと見込まれる株に対して投資する方法をいいます。
最先端技術を持つような企業は、景気動向にもあまり左右されないので、将来的にも継続して成長が期待できます。成長株は投資家の期待が株価に反映され、株価収益率(PER=一株当たりの当期利益)は、高いのが一般的です。
割安株に投資する
割安株投資とはバリュー株投資ともいい、業績が良くかつ資産も豊富なのに、株価が割安に放置されている銘柄に投資する方法をいいます。
現在の株価は安くても、近い将来に市場が企業業績や資産を再評価することにより、株価が上昇することを期待した投資方法です。株価純資産倍率(PBR=株価が1株当たりの純資産の何倍か)が、1倍をきれば割安といえます。
低位株に投資する
低位株とは、株価水準の低い銘柄に投資する方法で、少ない資金でも単元株(取引できる単位)を購入できます。
通常は値動きも少なく、良いニュースが伝わると大きく上昇しますが、悪い情報が伝わると株価が暴落することもあるので注意しなければなりません。
株を購入する際の指標を覚えておこう
株を購入するときには、買い時を指標で判断すると良いでしょう。ここではよく用いられる指標を3つ紹介します。
PER
PERは、株価が1株当たりの当期純利益に対して何倍であるかを表し、株価が割高か割安かを判断するための指標として用います。
算式で表すと次のようになります。
PER=株価÷1株当たり当期純利益(EPS)
なおEPS=当期純利益÷発行済株式総数
PERは、株価の上下や純利益の増減によって変わってきます。
日本取引所グループの統計資料によりますと、2021年10月の東証一部上場企業のPERは単純平均で26.5倍、加重平均で22.3倍となっています。一般的にはPERが15倍を基準にして、それより高ければ割高、低ければ割安と判断されます。なお統計資料は業種別・規模別に算出されていますので、投資しようと思う企業と比較することが重要です。
PBR
PBRは企業の資産価値からみて、株価の割高・割安を判断する指標です。
算式で表すと次のようになります。
PBR=株価÷1株当たり純資産(BPS)
なおBPSは純資産÷1株当たり純資産
PBRは、株価の上下や純資産の増減により変わってきます。
日本取引所グループの統計資料によりますと、2021年10月の東証一部上場企業のPBRは単純平均で1.3倍、加重平均で22.3倍となっています。PBRは1倍が評価基準で、1倍以下は割安と判断されます。なおPBRについても、同業他社と比較し判断することが必要です。
ROE
ROEは自己資本利益率といい、株主が投下した資本に対して、どのくらいの利益が出たかを表し、配当能力を測る目安となります。
算式で表すと次のようになります。
ROE=当期純利益÷自己資本×100
ROEが高いということは、投資した資金に対し効率よく利益が出たということになります。
日本取引所グループの決算短信集計によりますと、2020年3月期東証一部上場企業の平均ROEは7.15%となっています。10%以上なら収益性が高いと判断できますが、過去の推移や負債の状況も確認して投資する必要があります。
投資初心者は単元未満株から始めるのもおすすめ
株式投資は、銘柄ごとに決められている最低売買単位で取引するよう定められています。単元未満株とは1単元の株数に満たない株式をいい、数百円程度の少額から投資を始められます。
単元未満株投資のメリット
1.少額から投資を始められる
単元未満株投資は、資金をあまり必要とせず小額から始められるので、投資初心者にはおすすめの投資法です。また少ない資金でもいくつかの単元未満株に分散投資すれば、リスクを低減することも可能です。
2.配当金や株主優待も受け取れる
単元未満株でも、保有株数に応じて配当金や株主優待を受けられるので、初めての人でも株式投資を楽しめるでしょう。ただし株主優待を受けられない単元未満株もありますので、前もって確認しておく必要はあります。
単元未満株投資のデメリット
1.自分の指定した価格で売買できない
単元未満株投資では、自分の指定した価格(指値)では売買できず、その時点の価格(成行)で売買することになります。したがって想定していた価格では売買できず、高値で買ったり安値で売ってしまう可能性があります。
2.取引手数料が高くなる
株式の売買には取引手数料がかかりますが、単元未満株は単元株と比べて割高になることが多いです。証券会社のプランによっては、単元株では取引手数料が無料になる場合もあるので、単元未満株は高く感じることもあるでしょう。
初心者は長期投資・分散投資が基本
株式投資では、1銘柄だけで短期売買を繰り返すと、投機的な取引になりリスクは高くなります。したがって初心者は、優良な銘柄を多数選んで分散し、価格変動のリスクを抑えたほうが良いでしょう。また長期的な投資をすれば、利子を元本に組み入れて運用できるので、元本を増やせます。したがって株式投資初心者は、長期・分散投資に徹したほうが間違いがありません。
まとめ
初心者が株式投資で失敗しないためには、良い銘柄を選び長期にわたって分散投資することです。銘柄を選ぶ場合にはPER・PBR・ROEの3つの指標を参考にして選ぶと失敗が少ないでしょう。また少ない金額から投資できる単元未満株を選べば、失敗しても損失は少ないので安心して投資できます。